平成杉の家」
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九十九里 現代民家 「平成杉の家」


 設計コンセプト(最優先事項)
   技術面でも資材確保の面でも地域の工務店が容易に実現可能な家であること
  地域に普及させることが難しい特殊な工法や高価な器具を用いていないこと。
  そして、建築するにあたり施主が容易に建てることができる価格であること。
そして、耐久性を最優先した、シンプルな構造であること。
建築地
      千葉県九十九里平野の緑豊かな平坦地,
      南向き陽当たり良好な田園地帯に立地
      データマップ日本の気候   48地区 太平洋沿岸型 
気 温  夏期冬季共に平均的
湿度   夏期は平均的冬季低い
降水量  年間を通じて少ない
降雪量  少ない
日照時間 夏期平均的冬季多い
強風日  夏期冬季ともに平均的
冷房ディグリーデイ 少ない
暖房ディグリーデイ 少ない 

この地域の気候
最適 反射率の大きい屋根 反射率の大きい外壁 熱取得防止の覆い
適する 風をコントロールする 建物の表面積を小さくする 基礎の深さを増す
蓄熱層の利用 屋根の庇の出を大きく 気密性を高める 断熱材の量を増やす
断熱ガラスの利用 バッファゾーンの形成 ソーラー暖房利用 熱向寒換気 
蓄熱システム ベランダやテラス サンルーム 日射を遮蔽する 
適用外 屋根の勾配を大きく 熱損失防止の覆い 自然採光フルスペクトル照明

日本の伝統文化を受け継ぎ人格形成の場となる住まい
 
和室には遠慮や思いやりの心を育む原点があり、子どもを躾けたり、礼儀を身につけるのに畳や床の間が重要な役割を果たしてきた。当地域のほとんど住まいには仏壇と神棚が設置されており、日本人が失いかけている共通の価値観が今でも美しく存在している。家族のふれあい、地域とのおつきあいも住まいを源としている。子どもは家庭と学校と地域の連携の中で健全に育てられるのである。
 設計ポイント
 伝統の和室 床の間 家族が集まる広いスペース 家族とつながっている吹き抜け 

地球環境を大切にした住まい
 
大量消費社会は、ゴミの山を築き、今やダイオキシンの発生と地球温暖化による影響は生態系を変え、私たちの生命を脅かし始めている。地球環境との共生をはかるということはもはや、小手先の技術ではなく生活習慣を根本から改めてゆくことに等しい。その基本として味わい豊かな、暖かい感触を持つ、大地に育まれた樹木によって軸組を構成し、内装を仕上げた。また、データマップにある通り、断熱化、気密化を施すことは、省エネルギーの面から必要と考えている。
 設計のポイント
 自然素材の活用 断熱化気密化 雨水タンクの設置 
 太陽光発電の効率を考えた屋根形状(現在未設置))

気候風土を活かした住まい

 日本の風土は、夏に湿度が高いため、調湿作用を持つ木はすぐれた効果が期待できる。冬には日射を最大限にとりいれて床、壁に蓄熱させたい。そうすることで省エネルギーに貢献できる。当地区にあっては湿度対策が効果的である。さらに強調したいことは、住まい手の知恵と工夫によって積極的に気候や環境にかかわってゆくことが大切であると考える。 
 設計のポイント 
 調湿作用のある自然素材の壁
 反射率の高い屋根材
 棟換気のより暑気を排出する 
 外壁からの熱取得を防止する。
 冬季は杉壁、松床への日射の取り入れにより蓄熱させる。
 夏期は西側を遮蔽する。
 ペアガラスの使用
 
財産を守る住まい

 無垢木材や自然素材を使用した住まいは、年月が経つほどに味わいのある品格を醸し出す。自然や町並みに溶け込んだ風情のある住まいは美しいものである。建て替えまでの耐用年数は60年を予定している。実際、弊社にとっての平均値(弊社は創業90年)となっている。建て替えまでに塗装など建物の維持費はほとんどかからないといっていい。設計においても、現在の生活にあわせて「造りすぎない」住まい、人生と家族の成長を念頭においた発想での住まいづくりが大切である。
 ポイント
 杉材 落葉松 漆喰

病気をつくらない住まい

 杉材の調湿効果により、湿度が低く安定させることができるため、ダニの発生が抑えられる。よって、ぜん息、アトピー、アレルギー性皮膚炎が予防できる。仕上げ材に無垢材を使用し下地合板をFC0仕様とすることで、ホルムアルデヒドの発生を最小限に抑えることができる。有害薬剤を使用せずに素材自体で解決している。南側の開口部と吹き抜け窓から日射を最大限取り入れれば蓄熱効果も抜群である。自然換気を利用しているが、機械換気も備えて、新鮮空気の取り入れには配慮している。
 ポイント
 無垢材 漆喰 ケナフ 紙

生命を守る住まい

 柱、梁、筋違のそれぞれの接合部には、有効な建築金物を使い、さらに、構造用合板によって壁すべてを耐力壁とした構造である。床は合板パネルにより剛床を形成している。耐力壁の量と配置は、家の耐震性を高める重要なポイントであり、設計上もバランスを重視している。
 ポイント
 耐力壁 防火上の配慮

高齢者や障害者が自立して暮らせる住まい

 木の熱伝導率はわずか0.2。これはコンクリートの6分の1、鉄の265分の1、木はそれほど熱を伝えにくく、暖かい素材である。高齢者にとって、目に優しく肌に柔らかい木は、心に豊かさと安らぎをもたらすに違いない。また、床を滑りにくい材で仕上げ転倒を防止している。これは高齢者にとってはバリアフリーであること以上に大切だと思う。もちろん、バリアフリーで車椅子が歩行できる廊下巾をもつことは、必要なことである。むやみに手すりを設けずに、随所に設置したカウンターが高齢者に自立する気持ちを育む。また、気軽に外部接することができ、季節を感じることができる外部スペースは有効である。
 ポイント
 滑りにくい床材、バリアフリー、 ウッドデッキ 

木の住まい


 人間は木に深い親近感を覚えています。大地に根を下ろし、年輪を重ねた大木には大きな存在感を感じます。畏敬の念を抱かせ、大きな抱擁力で包んでもくれます。森のすがすがしい空気を胸いっぱいに吸い込むと、心身が爽快になります。フィトンチッドという物質が、森の空気のすがすがしさの源です。この不思議な力で人間をリフレッシュさせてくれる。 住まいの素材となる木材も、生きていた木。木目には、一つとして同じものがありません。木目は、目にやさしく作用し、心を穏やかにしてくれます。木目が目にやさしいのは、自然が描いたデザインだからです。同じ生き物だという思いが、木に親近感を抱かせ、木で造られた家に安らぎを覚えるのではないでしょうか。 自然の中で、自力で成長する木材は、地球環境に対してもっともエネルギー負荷の少ない建築材だということができます。                         

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